【世界三大穀物】
お米とは、の果実からモミ殻を取り除いた穀物のことで、世界三大穀物(小麦、米、とうもろこし)のひとつです。
稲の種類は、次のように分類され、日本では ほとんどの生産がジャポニカ種となっています。
【稲の種類】
【日本における稲や米の区別】
栽培方法の違い
陸稲
(りくとう)
畑地で栽培するイネで、耐久性や耐病性に強い
水稲
(すいとう)
水田で栽培するイネで、面積当たりの収量が多く、連作障害がほとんど無い
成分の違い
粳米
(うるちまい)
デンプンにアミロースとアミロペクチンの両方を含む
餅米
(もちまい)
デンプンにアミロースを含まず、アミロペクチンのみを含む
また、日本では栽培方法や成分の違いで下記のように区別され、現在の日本の稲作では、水稲で作られる粳米(うるちまい)が大半を占めており、年間約850万トンが生産されています(糯米はそのうちの3~5%程度です)。
Q. 粳米(うるちまい)と糯米(もちごめ)の違いは?
Point! 粳米(うるちまい)は溶けやすい
粳米のデンプンには、アミロースが含まれています。アミロースは、規則正しい構造で形成されており分子の大きさが小さく、また電荷の偏りが大きいため、熱水に溶けやすい性質を持っています。そのため、粳米(うるちまい)を適度な水の量で煮ると、粒の一部が適度に溶けた粘り気のある飯が炊きあがり、現在の日本では主食として食されています。
【アミロースは熱水に溶ける】

Point! 糯米(もちごめ)は溶けにくい
糯米のデンプンにはアミロースをほとんど含まず、アミロペクチンが大半を占めます。アミロペクチンとは、下記のような枝分かれした構造で形成されており分子が比較的大きく、また電荷の偏りが小さいため、熱水に溶けにくい性質を持っています。そのため、糯米(もちごめ)を煮ると、強い粘性が生じ、日本では昔から赤飯、おこわ、搗き餅や練り餅、また、粉砕して白玉粉や道明寺粉などとして食されています。ちなみに粳米(うるちまい)と糯米(もちごめ)の栄養の差はほとんどありません。
【アミロペクチンはは熱水に溶けない】
日本ではお米の加工方法によって、下記のような様々な販売方法が存在します。
【お米の食しかた】
玄米
お米の玄米表面の糠(ぬか)には発芽に必要なビタミン類や脂肪分などを多く含んでおり栄養価がとても高く、昔からマクロビオティックの主食や、食事療法などとして用いられてきました
また、玄米を圧力釜や専用の炊飯器で炊くと、栄養成分も味の成分も多くなり、味わいが豊かで食感もプチプチとした歯ざわりを持ち、白米の飯には無いおいしさを味わうことができます
発芽玄米
玄米を発芽させた米であり、発芽時の酵素の働きによって新しい栄養成分が増え、玄米よりも更に栄養価が高くなります
また、同時に玄米の消化しにくい成分が減るため、白米と混ぜて炊くことができるようになります
発芽させて乾燥させるのに手間がかかるため、通常の玄米に比べて高価格で販売されています
分搗き米
玄米から糠層を一定の割合でとった精米のことで、三分搗き、五分搗き、七分搗きなどがある
また、白米の美味しさと玄米の栄養価の両方をあわせもつとされることもあります
精米(白米)
玄米を精白して糠層と胚芽を取り除いた米のことで、いろいろな料理に合せやすく、日本の主な主食となっています
無洗米
精白した白米の表面に付着している糠の粉を取り去った精米のことで、米を洗う手間がないため水の節約になります
また、冬の冷たい水で米を洗う必要が無い点を好んで購入されたりもします
加工品(白玉粉など)
うるちの精白米を粉末にしたもので、料理や団子やせんべいなどの和菓子や中華菓子などの原料となります
また、お米の調理方法として下記のようなものがあります。
【お米の調理法】
炊く
米一合に対して水一合で煮ることを炊くといい、炊きあがった飯を日本では広く主食としています
煮る
米を多めの水で似たものを粥(かゆ)といい、水の量によって全粥、七分粥、五分粥、三分粥と呼ばれています
また、粥から米粒を取り除いたものを重湯(おもゆ)といい、病人や乳児の離乳食として用いられています
海外では米を牛乳で煮込んだデザートであるプディングが、アジアやヨーロッパで広く食べられています
蒸す
糯米(もちごめ)を蒸したものをお強(おこわ)といい、独特のもちもちとした食感と甘味が楽しめます
干す
飯を干して乾燥させたものを干し飯(ほしいい)といい、昔から携帯保存食として用いられています
【天皇一代一度限りの大祭】
日本での稲作は縄文時代中期から始まりました。古来より米は経済的に特別な意味を持ち、税(年貢)や家の勢力を示す指標として使われていました。また、日本文化においては、米は単なる食料品だけにとどまらず、稲作信仰の霊的価値とされたり、地震際や各地の祭りで供え物として奉納されてきました。
中でも天皇が五穀の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)は最も重要な祭りであり、天皇即位後最初の新嘗祭である大嘗祭(おおにえのまつり)は、天皇一代一度限りの大祭として盛大に執り行われます(今日では祭りの日を勤労感謝の日として国民の祝日となっています)。
大嘗祭では、供える稲を刈り取る斎田として特別な方法で悠紀と主基の二か所が選定されますが、明治以降に選ばれた斎田は下記に示す通りとなっています。
【天皇に献上するために選ばれた斎田】
天皇
大嘗祭の開催年
悠紀
主基
明治天皇
1871年(明治4年)
甲斐国
安房国
主基斎田
(長狭平野)
大正天皇
1915年(大正4年)
愛知県
香川県
昭和天皇
1928年(昭和3年)
滋賀県
福岡県
今上天皇
1990年(平成2年)
秋田県
大分県
なかでも、明治天皇の即位の際に行われた盛大な大嘗祭では、安房国(あわのくに)長狭平野の長狭郡北小町村が、天皇へ献上するための斎田(主基)として選ばれました。
選ばれた斎田の周囲では、青竹を立ててしめ縄を張り、垣をめぐらせて厳重に囲い、隣地には八神殿や稲実殿を設け、番屋で花房藩の役人が警備を行うほど厳重に守られ、神祇省(じんぎしょう)から訪れた抜穂式(ぬきほしき)によって厳かに稲が刈り取られ、天皇へ献上されました。
斎田は今もなお跡地として残されております。また斎田の近くには日本の米づくり百選にも選ばれた棚田があるなど、長狭平野では古来より美味しいお米づくりが盛んであったことがわかります。
現代では、知る人ぞ知る美味しいお米の産地として、全国から親しまれております。
Q.お米が美味しく実る 地形の秘密とは?
長狭平野で採れる長狭米が特に美味しくなる秘密は、地形が大きく関係しているといわれています。平野は東西に長く広がっていて日の出から日の入りまで稲が陽を浴び続けることができ、また、周囲にそびえ立つ蛇紋岩を多く含む山々から溢れ出たミネラル豊富な水が絶え間なく平野に流し込まれ続けています。また、太平洋からの海風によって夏でも平野に熱がこもらず、一日の中で大きな寒暖の差がつくりだされるなど、美味しいお米が実るための好条件がそろっているのです。